舞台女優(KINAKO)木村佳奈子さん
「人の心に触れられる表現者」が目標です
ミステリー作家・横溝正史ゆかりの地として知られる神戸で、このほど探偵小説の文豪たちをモデルにした 「ミステリー音楽劇~鳴呼、私の探偵は」 が上演され話題になった。http://kavctantei.exblog.jp/9838907/
この10月に千秋楽を迎えたが、劇中で「チャイナドレスの歌姫」 として配役を務めたの
が木村佳奈子さん (芸名KINAK0)=淀川区在住。
半年前に受けたオーディションに合格。
音楽劇では男性・女性をメインにした2つのキャスティングが組まれ、木村さんは男性チームの中で紅一点、歌やダンスを披露して舞台を盛り上げた。
「歌っているときが最高に幸せ」 という木村さんだが、4年前に開催されたある公演ではのどを痛めて、本番に声がかすれてしまうアクシデントに見舞われ、所属していた劇団の指導者から「役者失格」 を言い渡されるつらい日々もあった。
再起をかけて出演したミステリー音楽劇のパンフレット。
歌好きの母親の影響もあってか、15歳の時に吹田市・江坂町にある劇団ひまわりに自ら入団し「将来は、歌って踊れる役者になりたい」と夢見た。
劇団に所属してからは連日の稽古も苦にならず、むしろ今まで自分で気が付かなかった自己表現の可能性に気づくことが大半だった。
いくつもの小さな公演に出演し、実力を身に付けていった。時には声を枯らしながらも歌と踊りで演技をこなす舞台に全力投球。
「幸せ気分いっぱいだった」。
そして、4年前の8月。劇団としても規模の大きな公演の出演が決まった本番の日。
ソロで歌う舞台で、ついに声がまともに出なくなってしまった。
懸命に努力してきたものの、無理が重なり結果は裏目に出てしまった。
「しばらくは、歌のない芝居に出演する日々が続きました。
でも、自分の選んだ道と違う疎外感から、このままではダメだ。
どうしようと落ち込みました」。
その後、知人に紹介されたボイストレーナーのもとに通い始めた。
その一方で、アルバイトを重ねながら声の調整に努めた。
しかし、現状の仕事だけでは生活は厳しく、10年間通った劇団を退団し今年2月まで会社に勤めた。
2年間のわずかな期間だったが、その間に出会った多くの自分を支えてくれた人たちと接する中で、新たに将来への目標が明確になってきたという。
声も安定してきたことから「再び歌う舞台へ」の意欲が湧いてきた。
神戸での公演では4曲をソロで歌う配役を無事にこなし、大きな拍手を浴びた。
新スタートを飾る第一歩の成果だった。.
「今後は自分が幸せになるだけでなく、観ていただける人たちの心に触れていける表現者を目指したい」 と夢は大きくふくらむ。
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